ADG02 – Fluorite
ニューハンプシャー・フローライト
2.69ct
¥10,000(税込11,000)
William Wise Mine, Westmoreland, Cheshire Co., New Hampshire, USA

アメリカ北東部ニューイングランド地方の古典的産地、ニューハンプシャー州のフローライト。
アメリカには州の愛称というのがあり、ニューハンプシャーは花崗岩の州(The Granite State)。州内に広範囲な花崗岩の層と採石場があることに由来。州の25セント硬貨にも山肌につきだして形成された花崗岩棚、Old Man of the Mountain(偉大な石の顔、山の老人という意味)がデザインとして使用される。豊富な資源があったニューハンプシャーは大自然の偉大な遊び心による美しい造形を神からの贈り物・守り神とし、「自由に生きる、然らずんば死を"Live Free or Die"」を州のモットーとし、もっとも早く独立宣言した州である。今でも大統領選挙の州開票はニューハンプシャー州から始めるのが慣例となっている。

William Wise鉱山は1890代から稼働し、1919年に閉鉱。今からもう100年も前に閉鉱してしまった古典的鉱山ですが、美しく透明度が高いミントグリーン色の蛍石が採掘できたことから、鉱物標本蒐集家達によって権利を購入し大型の重機などを持ち込み、ダイナマイトを使用し断続的ではあるものの採掘が行われていた時期がありました。同時多発テロに続き、象徴であったOld Man of the Mountainが崩壊したのもあり、採掘条件が引き上げられて採算が合わないのか、ここ20年以上は報告がないので完全に枯渇してしまったと考えられる。

実際、母岩付きの立派な標本は最入手困難で、大粒な綺麗で研磨に適してて色がちゃんと乗ってくる素材のほとんどはこれに準ずるレベルの結晶からしかとれなく、小さく8面体に加工された素材では色が全くのらないことから生み出せないので、すでに伝説は始まっているが、いずれ幻になるかもしれませんね。

フローライトとしては珍しくファセットカットの方が有名で、また本来ファセットカットには適してない石の存在価値を大きく引き上げた産地。「水のように澄んだ透明感溢れる世界一爽やかで美しいミントグリーンフローライト」として名を馳せた、他の産地にはなかった唯一無二の色合いのWilliam Wise鉱山のフローライトです。USAカット。

UVLW, SWのどちらでも強蛍光。